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【高校生交換留学体験談】杉野吏皇さん(ノルウェー派遣)

 2017年夏からEIL高校生交換留学ノルウェー派遣プログラムに参加していた杉野吏皇さん。


 1年間のノルウェーでの留学生活を振り返ってレポートを書いてくれました。ノルウェーという言葉も文化も全く違う国で生活して気づいたことをまとめています。ぜひお楽しみください!

 

留学のきっかけ

 私は9ヶ月、ノルウェーのフレドリクスタに留学していた。そもそも私が留学を決めたのは、福祉国家と名高い北欧の国で、進んだ医療福祉の制度を実際に見て、将来自分の目指す医師像を描きたかったからだ。高校2年の夏、ベトナムで、アジアの発展途上国の医療現場を目の当たりにした。整っているとは言い難く、必要とする人が医療を受けられないという状況を見て、すべての人が平等に医療福祉を享受しているという北欧諸国に興味を持った。実際に、ホストファミリーが働く病院を見学したり、自分自身も火傷で病院のお世話になったりした。そういった中で、当初の目的は達成できたと感じている。


 実はもう一つ、留学を決めた理由がある。ノルウェーと聞いても、ピンとこない人も多くいることだろう。私自身、留学するまでは福祉国家だとか北極圏だとか、学校で習ったような数少ない知識しか持ち合わせていなかった。だからこそ、ノルウェーを選んだ。帰国後、自分が「アメリカ帰り」だとか「フランス留学生」だなんて言っているのは想像もつかなかったし、高校生が、何が何だかわからない国に1人で行くほうがおもしろいと思ったから。当然、面接で言っても通るわけがないので心のなかに秘めてはいたが、その選択も間違いではなかった(と今だから言える)。






現地でのコミュニケーション

 ところで、私は英語が苦手である。もちろんノルウェー語なんてさっぱりだった。どうにかなるだろうとその状態で行ったのだから今考えても恐ろしい。しかし、なぜか私は9ヶ月の留学でノルウェー語(しかもフレドリクスタ訛りの)を話せるようになってしまった。なぜかって英語が全くダメなことにして、すべて生活を訳のわからないノルウェー語で済ますことに決めたからだ。聞くと多くの留学生は、初めその国の言語を話せないと英語で話しかけられ、そのままズルズルと英語ばかりの生活になってしまうこともあるらしい。悲しいことに。英語が必要なのは百も承知だが、「英語は世界の共通語」と頼りっきりになってしまうのもいかがなものかと思う。
 


ホストファミリー

 ホストファミリーとの関係は良好なものだった。特に、1月から帰国まで過ごしたHansとTorilには感謝しきれないほどとてもよくしてもらった。してもらうばかりでは気が引けたので、火曜日は日本食の日と決め、2月から帰国まで夕食を準備していた。これはザ・留学生という感じで楽しかった。料理中に火傷はあったものの他に大きな病気や怪我はせず、心配をかけたと言えばそれぐらいだった。
 




まとめに

 さて、県費で留学したからには何か沖縄県に還元しなければならない。しかし、私は沖縄の病院でずっと医師を続けるかと聞かれると困ってしまう。途上国で医者をやりたいと思っているからだ。2016年の秋、私はボランティアとして世界のウチナーンチュ大会に参加した。集まった彼らのパワーに圧倒され、強いつながりやウチナーンチュとしてのアイデンティティに声を失う思いだった。どこにいてもウチナーンチュはウチナーンチュらしい。


 私も留学中、もちろん日本人留学生だったが、同時に沖縄人留学生だった。基地問題も貧困も、難題は山積みだけれど、それでも故郷が大好きだと、思い出すたびに痛感した。なにが出来るのか、具体的な考えはまとまっていない。しかし、私たちが世界に出て、ウチナーンチュであり続け、人のためになることを続けてさえいれば、それは回り回って沖縄のためになると信じている

 






(写真、文 2017年:ノルウェー派遣 杉野吏皇さん)

 

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​EILの正式名称は「Experiment in Intertnational Living」このサイトは、EILのプログラムを通じて国際交流体験をした人たちを「Experimenters」と称し、その体験やその後にどう活かされたかを紹介するEILのウェブマガジンです。

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