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【高校生交換留学体験談】加藤あかね さん(フィンランド派遣)最終回

更新日:11月15日

 2023年8月よりEIL高校生交換留学フィンランド派遣プログラムに参加している加藤あかねさん。今回、ご自身の留学体験を多くの方と共有したいと、現地からレポートを送ってくれました。


 最終回の今回は、最終月である5月のイベントや留学生活を振り返って書いてくれました。ぜひお楽しみください!

 

 こんにちは。今回は主に5月にあったイベントについて書こうと思います。5月は私の留学の最終月であったこともあり、旅行や、学校でのテスト、学校での最後のイベント、友達や先生、ホストファミリーとのお別れなどたくさんのことがありました。いろいろな人との出会いや支えによって幸せに留学生活を送ることができ感謝でいっぱいです。


Vappu(ヴァップ)について

 5月1日はメーデーでした。労働者の日で、大きい街ではデモが行われ、多くの人が集まりパレードをしたりします。デモに参加しない人にとっては家族と過ごす祝日で、ピクニックに行ったりする人もいます。また、ヴァップは大学生にとって特に大きなイベントで、数週間にわたってお酒を含むお祝いするようです。ヴァップには、オーバーオールという上下がつながっている服を着て、高校を卒業するときにもらう帽子をかぶります。オーバーオールは大学や学部によって形や色が異なっており、その上に学科ごとのマークのワッペンをはります。ヴァップの食べ物はドーナツとシマというジュースです。ドーナツは軽いふわふわの生地で砂糖がかかっています。ホストマザーがたくさんのドーナツを作ってくれて、前日からたくさんドーナツを食べました。学校でも丸い大きなドーナツが出ました。シマは甘い飲み物です。レモンと砂糖、黒シロップ、イースト、レーズンを入れて温めてすべてを混ぜ、冷蔵庫で冷やして作ります。イーストが入っているので、時間がたつと自然にアルコールが発生しますが、作ったすぐはまだアルコールは含まれていません。少し炭酸のような感覚もありとてもおいしい飲み物です。



南への旅行について

コテージ/mökki

まずはホストファミリーのコテージに連れて行ってもらいました。多くのフィンランド人は自分のコテージを持っています。夏用のコテージもあれば冬でも使えるものもあり、毎週末行っているという友達もいます。コテージはたいてい川や湖、海のそばの森の中にあり、サウナもついており、泳ぎに行ってそのあとサウナに入れるようになっています。 ホストファミリーのコテージも森の中にある木造の家で、とても落ち着きました。近くに大きな湖があり、太陽の日を反射してキラキラしていて美しかったです。


トゥルク/Turku

トゥルクはフィンランドの昔の首都です。フィンランドは長い間スウェーデンに支配されており、スウェーデンに近いトゥルクは貿易の中心地として発展していました。その後、ロシアの支配下になった時、ロシアにより近い都市ヘルシンキに首都が移されました。トゥルクは、何度も火災にあい多くの古い建物は壊れてしまっていますが、トゥルク大聖堂やトゥルク城など昔からの美しい建物はまだ見ることができます。


ストックホルム

 ストックホルムはスウェーデンの首都です。とても大きい都市ですが多くの歴史的な建物が残っており、街並みがとても美しいです。スウェーデンは王国なので王のお城があります。そこで衛兵の交代が行われているのを見ました。青いユニフォームで身を包んだ姿が素敵でした。スカンセンという古い建物を残している屋外の博物館のような場所にも行きました。そこで働いている人は昔の衣装に身を包んでいて昔の生活を感じることができます。動物もいてとてもかわいかったです。


ハイキングについて

ロヴァニエミに行って、そこでハイキングをしました。フィンランドには日本のような高い山はあまりありませんが、tunturi(トゥントゥリ)という、石でできた山があります。日本の山とは全然違う見た目にとても感動しました。地面がすべて石でできていて、大小さまざまな石の上を歩くのは少し難しかったです。私が行ったところは普通のトゥントゥリよりも石の部分は少なかったようで、登るのはずっと簡単でしたが、それでも、次どこに足をのせるのか見極めるのが大変でした。すべてが石ではなく、初めは森のようにたくさんの植物や木があり、だんだん森の中に石が増えてきて、そして石だけで木がちらほらあるような感じになります。石の中を歩くコツは木から木に、木を追いながら歩くことだそうです。木の近くには根がしっかりとはっているため、石が安定しています。



卒業式について

 学校の1年の最終日は卒業式です。秋にも卒業式がありますが、多くの人が春に卒業します。私は、卒業式で照明係をやらせていただいて、誰かがスピーチする時、卒業の帽子授与の時、音楽の演奏の時などに照明を変えました。体育館の音響などの操作をする高いところに入れてもらって、とてもいい場所から見ることができました。卒業式の後、卒業生はそれぞれ自分のパーティーを開きます。家でやる人もいれば、レストランやほかの会場を借りる人もいます。私も卒業生の友達のパーティーに誘われてパーティーに参加しました。パーティーにはケーキやクッキーなどのお菓子、コーヒー、紅茶、ジュースなど、甘いものを食べながらお話を楽しんだり、写真を撮ったり、スピーチを聞いたりします。参加したパーティーは、60人ほどのゲストがいる大きなパーティーで、その卒業生の子はとても忙しそうでした。パーティーの時に持っていくプレゼントはお花、ギフトカード、お金、メッセージカードです。


誕生日パーティーについて

 フィンランドで誕生日を迎えました。フィンランドでは誕生日パーティーをするという話を聞き、生まれて初めて友達を呼んで誕生日パーティーをしました。誕生日パーティーには、通常自分の家族や親戚、ゴットペアレンツ、友達などを呼ぶため、参加者が数十人になることも普通で、何日かに分けることもあるそうです。私は小さめのパーティーで4人の友達を呼んで、ケーキを作ってもらい、チョコレートやキャンディーなどもたくさん準備して、午後を友達と一緒に過ごしました。たくさんプレゼントをもらえました。天気がとてもよかったので、一緒に外を歩いたり、テラスに座っておしゃべりをしていました。Mölkky(モルック)というフィンランド発祥の遊びもしました。Mölkkyは特にコテージでやる遊びです。12本の木の棒に数字が書いてあり、木の棒を投げて、一本だけを倒せば木に書いてある点数がもらえて、2本以上倒した場合倒した本数分の点数がもらえます。50ポイントちょうどとった人の勝ちです。とても楽しいゲームです。留学生活の最後にとても幸せな時間を過ごしました。本当に素敵な友達に出会ったと思います。このつながりをずっと大切にしていきたいです。


ビーチについて

 オウルは海に面している都市です。帰国の前日にホストファミリーとビーチに行きました。とても穏やかな海で、すごく美しかったです。砂浜にはビーチバレーができるようにネットがあり、砂浜を裸足で歩きましたが、ふかふかでひんやりしていて、気持ちがよかったです。海の水はそれほど冷たくなかったです。数週間前までまだ海に氷があったとは本当に想像ができません。ビーチで撮った写真が下にありますが、これは何時に撮ったものだかわかりますか。実は日にちが変わる時刻、つまり午前0時に撮った写真なのです。オウルの今の日照時間は22時間でほぼ1日を通して明るくなっています。とても不思議な感覚です。皆さんもこの写真を見てほぼ白夜がどのような感じか少し感じてくれていれば嬉しいです。フィンランドでは夏は長い1日とも呼ばれるようです。



最後に...

 留学に行って特によかったと思うことは、本当に多くの出会いがあり、たくさんの人に支えてもらって過ごすことができたと実感できたことです。フィンランドと日本は遠く離れていて、すぐに戻ることはできなくても自分の中の思い出は消えないし、友達と自分の距離感が少し変わったとしても、出会って一緒に過ごした事実は変わらないから人間関係は一生ものだと思っています。友達を通していろいろとフィンランドのことを知れたし、フィンランドをより身近に感じました。また、フィンランドで1年間生活して、戻ってくることによって違いをたくさん体感することができました。国どうしの違いの中でどちらの方が良いとか悪いではなく、それぞれの国での物事のとらえ方や考え方によって構築されている文化や習慣に触れて、違いというものを知ることによって、面白い発見ができましたし、違いに気づくことは相手の文化を知ろうと思う気持ちであり、違いを理解して受け止めることがとても重要であると感じました。また、留学生として、日本のことをフィンランドに伝えたり、フィンランドのことを日本に伝えて、また、留学生という存在がいることによって、フィンランドの人たちが日本に興味を持って日本の情報をキャッチしやすくなったり、日本について調べようと思ってくれていれば幸せですし、日本の人たちがフィンランドの身近に思って、フィンランドという言葉をテレビやネットなどのニュースで見たときにもふと自然と情報を自分の中に取り込んでくれるようになってくれていたらいいなと思います。


 Kiitos! 最後まで読んでくれてありがとうございました。そして今までのレポートを読んでくださった方、本当にありがとうございます。この高校生の期間にフィンランドに留学したことは私の中の一生の思い出で、この留学によって最高の親友にも出会い、ゼロから言語を学ぶ経験もできました。私は、新しいことを学ぶことや知らないことに挑戦することを面白いと感じると知ることができました。帰国して、自分が周りの人とお話をしたい、何かを伝えることが楽しいと思えるようになっていたことに気づき、これは自分の中でとても大きな変化です。先生方や家族からもたくましく、自信を持てるようになっていると言っていただけてとても嬉しかったです。この経験を今後に生かしていけるようにしたいと思います。



(写真、文:2023年度フィンランド派遣生 加藤あかね)



 

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