2023年8月よりEIL高校生交換留学カナダ(学区指定)派遣プログラムに参加している瀧澤遼花さん。今回、ご自身の留学体験を多くの方と共有したいと、レポートを定期的に書いてくれることになりました。
第3回のレポートでは、ホストファミリーと学校生活について書いてくれました。ぜひお楽しみください!
こんにちは。カナダ(学区指定)派遣の瀧澤遼花です。
早くも留学生活の半分が経とうとしています。冬がだんだんと深まっており、私の住む地域では気温が常に0度を下回り毎日とても寒いです。これからさらに寒くなるらしく、-40度やそれ以下の気温など、今はまだ想像すらできません。雪もたくさん降っており、雪が降らない地域出身の私にとっては毎回が特別で、いつもワクワクしています。また、雪景色や湖が凍っている様子がとても綺麗で、このような自然豊かで美しい環境で過ごせることをとてもありがたく思っています。
さて今回は、ホストファミリーについてと、カナダの学校での一日についてお話ししたいと思います。
ホストファミリーについて
私のホストファミリーはホストマザー、ホストファザー、そして同い年のドイツ人の留学生です。このファミリーでは以前からたくさんの留学生を受け入れてきているファミリーで、私たちは10人目と11人目の留学生だそうです。今まで特に日本人の留学生が多かったようで、折り鶴やお箸が置いてあるなど、かつての留学生の片鱗も感じることができます。
また先述したように、ファミリーの中にはもう一人留学生がいます。これはダブルプレースメントという制度です。彼女はドイツ出身の同い年で、とても親切で賢い女の子です。同じ学校に通っていて、休日には一緒に映画を見たりモールに行ったりしています。初めは英語力の差に悩み落ち込んでしまうこともあったのですが、しばらく経つとコミュニケーションに困ることはなくなり、どんどん仲良くなっていくことができました。話していると、カナダと日本の文化の違いだけではなく、ドイツとの文化の違いも感じることができるのでとても興味深いです。また、彼女も9月からの留学生なので、悩みを共有しやすくよく相談に乗ってもらっており、大きな心の支えになっています。
私のファミリーは、毎日夕食を全員でとっています。そこでは今日あった出来事をはじめとした様々なことを話します。初めは会話が聞き取れなかったりと話に入れなくなってしまうことも多かったのですが、わからないことは必ず聞き返したり、日本での事前研修で習ったように今日は絶対にこれを話そう、と決めておくことで会話に慣れていくことができました。マザーとファザーは仕事が忙しいのですが、毎日この時間をとれることはとてもありがたいなと感じています。
また、カナダの多くの家庭ではペットを飼っており、私のファミリーも例外ではなく猫を2匹飼っています。他にも庭には鶏小屋と蜂の巣箱があり、卵や蜂蜜はそこから収穫してきたものを使っています。日本にいた時にはスーパーなどで購入したものを使っていたので、家で取れたものを使うというのは初めてでしたが、とても新鮮で美味しいです。
学校での一日について
学校生活は、日本と異なる点も多くあります。まず、学校にはスクールバスで通っています。家が近いと歩いて通学する人もいますが、ほとんどの人がスクールバスを使用しています。バスは家の目の前まで来て、学校の中のパーキングエリアまで送ってくれます。電車のように何本もくることはなく、行きも帰りもそれぞれが一本しか来ないため、少しの寝坊も油断できません。
学校は朝8時50分に始まるため、日本の平均よりは少し遅いのかなというところです。クラス単位という概念がないので朝礼などはなく、学校に着くとそれぞれが自分の授業がある教室に向かいます。制約はありますが、基本的には興味や進路に応じて自由に授業を選択することができます。高校のくくりとなる9年生から12年生(日本で言う中学3年生から高校3年生)は、1学期に4つの授業を選択し、半年弱その4科目だけを学び続けます。ですが、アカデミックな授業をたくさんとっていたり、部活でスポーツをやっていて忙しい11年生と12年生は、「スペア」と呼ばれるいわゆる空きコマをとることもできます。この時間は休み時間ではなく、みんな図書館や自習室のような場所で真剣に自習に励んでいます。
授業の席は基本的には自由なので友達と座ることが多いですが、学校の成績は進路を決める上でとても重要になってくるので、休み時間と授業の切り替えができる人も多いように感じます。
それぞれが異なる時間割を持っているため、授業が終わると各々のクラスに向かいます。
クラスは日本にもあるような数学や理科、歴史や地理から、アウトドアやクッキング、ダンス、法律、経営など日本ではあまり見ないようなクラスもあります。
授業の中で日本と大きな違いであると感じるのは、答えのない課題が多いということです。テストや、問題を解くような課題ももちろんあるのですが、自分の意見を答えたり、調べ物をしたり、プレゼンテーションを作ったり、と元から答えが決まっていない課題が多くあります。また、理数系の科目では基本的に計算機を使うことが許可されている代わりに式の組み立てが複雑なものが多いです。このように、日本に比べ答えを求めることよりも考える過程を大事にしているように感じます。
2時間目の授業が始まる前には、学校放送が流れます。放送の中には、連絡事項の他にも国歌が流れ、その時間は一度手を止めて立って過ごさなければいけません。国歌は英語だけでなくフランス語や先住民の言語で流れることもあり、カナダ人の愛国心が感じられる時間です。
授業が終わると、部活に入っている人は部活に向かいます。部活は日本と大きく異なり通年で活動している部がとても少なく、スポーツはほとんどがシーズン制です。3ヶ月ほどでシーズンが終わるものが多く、シーズンが終わるとその部活の活動は来年度までありません。そしてホッケーやバレーボールなど人気な運動部にはトライアウトと呼ばれる入部試験が毎年あり、それに合格しないと部活に所属することができません。
私は現在9月から吹奏楽部に所属してトロンボーンを演奏しているほか、12月からクロスカントリーに参加し始めました。兼部は全く珍しいことではなく、たくさんの人が兼部をしています。また、私の所属しているこの二つにはトライアウトがありませんでした。そして、私は吹奏楽部にいたことはなく、クロスカントリースキーもカナダに来るまでやったことがありません。このようにトライアウトのない部活だと、初心者でも気軽に参加することができます。
部活のない日はスクールバスに乗ってそのまま家に帰るか、友達と遊びに行くこともあります。私の通っている学校は制服や校則の類がほとんどないので、放課後や、さらには昼休みでさえも遊びに行くことができます。自立はより求められますが、自由があって楽しいです。
これから残り約半年の留学生活もがんばっていこうと思います。
(写真、文:2023年度カナダ派遣生 瀧澤遼花)
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