2023年8月よりEIL高校生交換留学フィンランド派遣プログラムに参加している加藤あかねさん。今回、ご自身の留学体験を多くの方と共有したいと、現地からレポートを送ってくれました。
初回の今回は、学校生活の様子について書いてくれました。ぜひお楽しみください!
皆さんこんにちは。8月30日からフィンランドに留学している加藤あかねです。今年のフィンランド派遣は私1人だったということもあり、フィンランドに向かうときはとても心細かったですが、念願だったフィンランドで高校に通えてとても楽しく過ごしています。
私が派遣されているのはフィンランドでも北のほうに位置するオウルという都市です。首都のヘルシンキから600km離れており、人口は約21万人、フィンランドで5番目に大きい都市です。まず、フィンランドの高校の様子、そして高校の面白いこといろいろを紹介したいと思います。
フィンランドの高校
私はKastellin Lukioという高校に通っています。私が住んでいるオウルで一番大きい高校です。Lukioというのがフィンランド語で高校という意味になります。フィンランドには大きく分けて高校と専門学校があります。中等教育を受けたい生徒はどちらかを選んで入学します。フィンランドでは教育費はすべて無料です。
私の高校には5つの学期(8月から9月、10月から11月、12月から2月、2月から4月、4月から5月)があり、それぞれの学期終わりの週にはテストがあります。
時間割と科目
フィンランドの学校では、カウンセラーと相談しながら、自分で取る科目を選んで時間割を作ります。また、必修科目もあるので、必修科目と自分がさらに学びたい科目とをうまく組み合わせながら決めていきます。フィンランドの高校では3年で卒業する人が多いですが、何年で卒業するかは自分で決められるため、3年半や4年で卒業する人もいます。何年かけるかによって、一つの学期に取る科目の数が変わってきます。
科目は母国語、スウェーデン語、英語、その他の言語、数学、生物、化学、物理、哲学、心理学、宗教、歴史、社会、健康、体育、音楽、美術などがあります。私は、今学期は、英語、化学、歴史、社会、体育、音楽、フィンランド語を勉強しています。
ひとつの科目は、学べる内容ごとにさらに細かいコースに分かれていて、例えば数学では関数を扱うコースや、幾何をやるコースなどがあります。1学期間はその単元をずっと学習し、1つの教科書を終わらせます。
1クラスの人数はだいたい30人前後。1コマは75分で、休み時間は15分です。最大で、8個の科目を取ることができるため、授業の取り方によっては、空き時間ができます。空き時間には、宿題をしたり、友達とおしゃべりしたり、買い物に行ったり、カフェに行ったりします。朝は一番早くて8時15分からで9時45分や11時15分から始まる日もあります。終わるのは一番遅くて15時50分、早い日は14時30分には終わります。放課後は友達と遊びに行ったり、残りの宿題をやったりします。
授業の様子
授業はフィンランド語で行われます。はじめのころは本当に何もわかりませんでした。でもはじめの1か月でkoska(because)、 sitten(then)などよく出てくる単語を覚えてきて、今から理由を言うんだとわかるようになりました。3か月たって、先生がゆっくり話しているときはだいたい何を言っているのかわかるようになってきています。友達が話していることもたまに理解できるようになりました。まだまだ知らない単語が多いのでさらに学んでいきたいです。また、今はほとんど英語を使って過ごしているので、少しずつフィンランド語も話すようにしていきたいと思います。
授業ではパソコンが必須です。学校に初登校した日に、学校からパソコンと、鉛筆、消しゴム、ペン、ファイルがもらえました。教科書はすべてパソコンから見るため、本や紙では配られません。どの教科でも最初の授業でノートが配られ、教科書とteamsにアクセスするためのコードを教えてもらいます。多くの先生はプロジェクターを使い、パワーポイントや教科書を映しています。プロジェクターはHITACHIなど日本のものです。電子機器などは日本のものが多くあります。
授業はとてもアットホームな雰囲気で、先生と生徒の距離が近く、先生も生徒もお互いをファーストネームで呼び、質問があるときにはどんどん発言しています。また、フィンランドの学校にも宿題があります。量はあまり多くなく、授業の最後に宿題を終わらせる時間をもらえるときもあります。私が取っている科目だと、英語と数学、化学で宿題があります。宿題もパソコンでやります。パソコンの教科書内にいくつかの問題がのっていて、そこで問題に答えて、提出します。また、teamsで宿題を提出することもあります。先生からの宿題のフィードバックもオンライン上で行われます。
テスト
テストもパソコンを使って受けます。先生からUSBを受け取って、パソコンにさしてテストを開き、問題に答えます。USBをさしているので、外のサイトは開けないようになっています。学期末のテストの時は、机の向きを変えて、先生の席から生徒のコンピュータ画面が見られるようにします。テストは終わった人から帰れる仕組みで、使える時間は約3時間あります。テスト中は、飲み物を飲んだり、お菓子を食べたりすることができます。テストの結果もウェブ上で確認します。選択肢から選んで答える問題もありますが、エッセイ式の問題が多く、きちんと理解したうえで考える必要があり、面白かったです。
昼食
フィンランドの学校には給食があります。大きなカフェテリアのようになっていて、好きな場所に座って食べます。食べ物は、ビュッフェ形式で自分で好きなだけとれるようになっています。あまりおいしくない学校もあるみたいですが、私の通っている高校の給食はとてもおいしく、毎日楽しみにしています。
お店
学校には小さなお店があります。そこではチョコレートやキャンディ、ポテトチップスなどのお菓子や、コーヒー、ココア、ジュース、スムージーなどの飲み物、ミートパイやバーガー、サラダ、サンドイッチ、バナナ、マフィンなどの食べ物も売っています。
フリースペース
教室の前や廊下などいたるところに椅子とテーブルが置いてあります。休み時間に友達とおしゃべりしたり、一緒に勉強したりするのに使っています。普通の椅子のほかにも大きな丸いソファーや、肘掛け椅子、ボックス型になったテーブル、1人掛けのテーブルとイスもあります。かなり居心地がよく、いつも人でいっぱいです。
ジグソーパズル
1階のフリースペースにはジグソーパズルが置いてあります。休み時間や昼休みに多くの子がやっています。友達と話しながらやるととてもリフレッシュできます。やりたいときに少しずつピースを探して、みんなで作っていく感じがおもしろいです。だいたいは1つのパズルが1、2週間くらいで完成します。完成したら、また新しいパズルが用意されています。とても速い時は2日くらいで出来上がってしまいとても驚きました。友達と、どこからパズルが来るのか、終わったパズルはどうなるのかという話になります。
コーヒーデイ
毎学期、テストウィークが始まる月曜日にはコーヒーデイがあります。昼休みに誰でももらうことができます。この前は、コーヒー、紅茶、ココアの3種類があり、好きなものを選んで飲むことができました。コーヒーの入ったポット、紅茶のティーバッグ、ココアの粉、沸かしたお湯、紙コップなどが置いてあり、好きなだけとることができます。テスト前に飲み物が配られるのは素敵です。フィンランドにはコーヒーが大好きな人が多いです。世界一コーヒーを飲む国と言われているのも納得です。
テーマウィーク
1週間、毎日異なるテーマが出され、それに合わせて服を選んだりするイベントです。この前のテーマウィークのテーマを紹介します。月曜日はぬいぐるみの日で学校にお気に入りのぬいぐるみを連れていく日でした。大きなぬいぐるみを抱いて登校する人や、リュックの口からぬいぐるみの頭がのぞいている人などがいました。火曜日はハロウィンがテーマで、ハロウィンの仮装や黒の服を着る日でした。私はホストマザーがフィンランドの伝統衣装を貸してくれたので、それを着て過ごしました。水曜日は何もテーマがない日でした。木曜日のテーマはバービー人形で、ピンクや青の服を着ていく日でした。1番面白いと思ったテーマは金曜日のノーバックパックデーで、学校にリュック以外で行く日でした。このテーマはクリエイティブさが問われるものでした。私はビーチに行くときの袋で持っていきました。段ボールで持ってきている人や、そりに乗せて持ってきた人、小さいキャスター付きの棚で持ってきている人など色々でした。私が1番すごいと思ったのは、ハンガーにかけて荷物を持ってきた人です。みんないろいろなアイディアがあってとても楽しい日でした。
信号の日
服の色で、恋人がいるかいないかを表すという日です。恋人がいない人は黒色、調整中の人は灰色、約束している人は白色、そして恋人がいる人は赤かピンク色の服を着ます。服の色で分かるのは面白いと思います。黒色の人がかなり多かったですが…。この取り組みによってカップルが増えるのかな…?
ビンゴ
昼休みにビンゴがやれる日がありました。驚いたのはビンゴは万国共通なんだなということ、また学校でそういうイベントがあることにも驚きました。数字をフィンランド語で聞き取るのに少し苦労しましたが、友達と一緒に参加してとても楽しかったです。ちゃんと景品もあって、友達がもらっていました。
最後まで読んでくれてありがとうございます。これから先もフィンランドでの生活を楽しんでいきたいと思います。次回はフィンランドの文化について書きたいと思います!
(写真、文:2023年度フィンランド派遣生 加藤あかね)
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