EIL高校生交換留学プログラムを通して、熊本県内からアメリカ・モンタナ州に留学する生徒を対象とした奨学金、「くまもと未来創造基金 アップルシード奨学金」。
2021年の奨学生の岩本唯花さんは、8月末からモンタナで留学生活をスタートしています。唯花さんには、留学期間中に定期的にレポートを書いてもらうことになっています。
第9回の今回は、帰国が迫る中での様々なイベントについて書いてくれました。
皆さんこんにちは。5月の終わり、アメリカからの最後のレポートです。留学生活もいよいよ終わりに近づいています。
Spokane
ハミルトン(hamilton)という世界的に有名なミュージカルを見に、ワシントン州のスポーカン(spokane)という街に行きました。キャストの歌唱力が素晴らしく、感動しました。ここでは日本よりミュージカルなどのクラシカルアートがとても身近です。ホストシスターはこのミュージカルが大好きで何年も前からこの日を楽しみにしていたそうです。
ホストファミリーはいつも忙しく、中々家族で過ごす時間が少ないのでみんなで楽しい時間を共有できてよかったです。
Flagship
私の高校にはフラッグシップという、文化系のクラブ活動があります。基本的に自由参加で毎日放課後に様々な活動が行われています。私は友達の誘いで先月からfilmingに参加しています。しばらくは複数のビデオカメラでゲーム配信を想定した撮影を行いました。顧問は街の図書館の職員で、本格的にカメラやコンピューターの使い方を教えてくれます。活動内容は自分たちで自由に決めていて、学びたいことが学べるのでとても充実しています。機材は全て図書館の所有物で、一般にも本と同じように貸し出しされています。先週は古いフィルムカメラを使って撮影を行いました。
アートショー
学校のそばのアートギャラリーで友達の作品が展示されていたので一緒に見に行きました。彼女はネイティブアメリカンで、そのテイストが彼女の全ての作品(インスタグラム)にあらわれています。ビビットな色使いがとても素敵です。
同じ週にモールでは街の高校生のアート作品が展示されていました。私の作品も4つ展示されていたので驚きました。知り合いにも沢山声をかけてもらい、嬉しかったです。
プロム
プロムというのは卒業行事のダンスパーティーです。アメリカの高校行事と言えばこのプロムを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。アメリカではとても大きな行事で何ヶ月も前から計画をたてて準備する人もいます。私は現地の10年生(日本の高1)なのでなんとなく人事に考えていましたが、1週間前に友達に誘われ、急遽参加することになりました。準備は大急ぎでしたが、友達にも手伝ってもらいなんとか間に合わせました。
当日はカメラを持っていき、沢山撮影しました。みんなとても素敵でした。プロムの後はパーティーに行く予定でしたが、夜遅いことあり、少し怖かったのでそのまま家に送ってもらいました。プロム会場自体には、先生方や警察もおり安全に過ごすことができましたが、実際にその後の多くのパーティーではドラッグやアルコールを口にする人も少なくないようです。自分自身で身を守らなければならないので、行かないという選択ができてよかったと思います。
バンドコンサート
春の音楽コンサートが学校の体育館であり、学校の合唱団や、オーケストラと演奏しました。会場の人々にはアイスクリームサンドウィッチやクッキー、飲み物も配りました。
その一週間後には今年度最後のバンドコンサートがありました。私は吹奏楽バンドでスネアドラムとティンパニを担当しました。仲間と最後の演奏を惜しみました。
自分の番が終わり、ジャズバンドの演奏を聴いていると、バンドディレクターからサプライズがありました。バンドディレクターがジブリ映画のトトロの話を始め、日本人の留学生、つまり私の事を紹介してくださいました。軽く挨拶をすると、会場の人々から拍手と歓声をいただきました。「this is for you」と言われ、となりのトトロの演奏が始まりました。その瞬間は驚きで何も言葉がでませんでした。約10分の曲の間、嬉しさで胸がいっぱいになり、高校留学の素晴らしさを改めて実感しました。
Thank you, Mr. Slater, for everything you did, “We all with U”
最後に
帰国が迫るなか、仲間たちとの絆は深まっていく一方です。正直、離れたくない気持ちも大きいです。だからこそ限られた時間の中で自分が何をすべきか、よく考えたいと思います。最後まで気を引き締めてがんばります。ありがとうございました。
(写真、文:2021年度アメリカ派遣生 岩本 唯花さん)
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