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【高校生交換留学体験談】C.Nさん(ベルギー派遣)

更新日:7 日前

EILの奨学金制度の一つ、「EIL留学帰国生報奨制度」は、交換留学生としての役割を十分に果たし、活躍した生徒のために設けられた報奨制度です。


本日は、2020年度夏に出発し、今年の夏に帰国したベルギー派遣生C.Nさんの留学体験談をご紹介します!

EIL高校生交換留学プログラムの2020年夏派遣プログラムは、新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、原則としてすべて中止となりましたが、一部プログラム参加の強い希望をいただいた生徒については、派遣先国の状況も見ながらプログラムを催行しました。そんなコロナ禍でのベルギー留学を振り返っていただきましたのでぜひご覧ください。

 

 最初の3か月間

 私は10ヶ月間ベルギーのフランス語圏に留学していました。ベルギーは多民族国家なのでフランス語、オランダ語が公用語で、一部ではドイツ語を使います。私は英語圏以外の国でフランス語を学びたかったのでベルギーを留学先に決めました。しかし私はフランス語を学んだことがなかったので、語学はすごく苦労しました。

 最初の3ヶ月はフランス語が一つも理解できず、英語の話せない友達やホストファミリーとは全くコミュニケーションが取れませんでした。特に地方の訛りがある人や、話すスピードが速い人は理解することがすごく難しかったです。そのため、最初は友達もあまりできずホストファミリーともあまり仲良くできませんでした。しかし、文法や発音が間違っていても恥ずかしがらずに一生懸命伝えるとみんな耳を傾けて私の話を聞いてくれました。私は漫画やアニメ、K-POPが好きなのでそれについて友達に話すと友達も共通の趣味を持っており、一緒にダンスを踊ったり、友達の家でアニメを見たりしました。半年後には、フランス語字幕がついている映画はだいぶ聞き取れるようになりました。わからない単語や文章があると、説明して助けてくれました。毎日みんなに助けられながらフランス語を勉強し、最後には留学前に目標としていたフランス語検定に合格することができました。とても嬉しく思います。これで満足せずに、フランス語を忘れないように次のレベルの検定に向けて勉強を続けたいと思います。




ホストファミリーとの生活

 私のホストファミリーはホストファザー、ホストマザー、ホストシスター、ホストブラザー、ホストブラザー(孫)です。ホストファザーは料理が趣味なので、毎日夕食を作っていました。私もたまにお手伝いをしたり、休みの日にはコロナであまり出掛けられなかったのでケーキやクッキーなどお菓子作りを行いました。また、私は習い事をしていなかったので天気の良い日にはホストブラザーやシスターと庭で一緒に剣やダンスをしました。

 ベルギーの主食は主にパンとじゃがいもです。朝や昼はパンにジャムを塗ったり、チーズを挟むなど簡単な軽食が多かったです。夜は、ジャガイモがよく出てきて、ポテチを手作りしたりもしました。肉は牛、豚、鶏、特別な日には日本ではあまり食べないくま、鹿、かも、うさぎ、羊なども食べました。特に印象的だったのはエスカルゴです。思ったよりも滑らかでおいしかったですが、どうしてもカタツムリということが頭から離れず私はあまり好いては食べませんでした。そのほかにも、カレーはベルギーにもありますが日本とは少し味が違い、バナナと一緒に食べました。日本では米と一緒に食べることが基本ですが、ベルギーではジャガイモと米を一緒に食べるのはおかしいと言われ、食卓に焼きそばとお米が出てくる感じかなと思いました。確かに、小学校や中学校でお昼の給食でカレーが出た時は必ずといっていいほどデザートにバナナが出ていたことを思い出しました。文化の違いが発見でき、面白いと感じました。ホストファザーが料理が好きなので、私もいくつかの日本料理を作りました。特に人気があったのは、ポテトサラダと恵方巻きです。先ほども書きましたがベルギーではジャガイモは主食とされています。私の家のポテトサラダにはマカロニとジャガイモが入っているのでホストはとても驚いていましたが、意外に合うねといってくれて嬉しかったです。恵方巻きについては、日本では家に豆を巻いて海苔巻きを食べる行事があると説明し、ベルギーで行いました。私がうまく説明できずにホストファミリーが恵方巻きを一口大に切ってしまい、少し残念でしたが、次は先に紙に説明文を考えて書いてから言おうと勉強になりました。



ベルギーでの学校生活

 ベルギーの学校は中学校と高校がくっついた6年生の義務教育ですが、少し大学のシステムに似ています。朝は8時15分に始まり、長いときは一日8時間授業で16時に学校が終わります。しかし多くの授業は先生がいつも5分以上遅れてきたり、学校を休むので自習や授業がなくなったりもしました。私は英語、数学、フランス語、歴史、人間学、地学などを受けていました。最初の時は専門用語が多くてすごい大変でした。こっちの学校はプリントに先生が口頭で言ったものを書くことが多く、私は家に帰ってから友達に見せてもらったり、先生に授業が終わった後質問にいくことが多かったです。お昼は家に帰ってもいいし、近くのお店や食堂で食べても大丈夫です。特に驚いたことは、午前中の授業が全てなくなったときにみんなで友達の家に集まり、ベルギーの子は16歳からアルコールが大丈夫なので朝からお酒を飲んでいました。午後には英語と体育の授業が残っていましたが、みんな酔っ払って授業を受けていて衝撃を受けたのを覚えています。

 

 コロナ渦の中でも、私は様々な活動を経験させてもらいました。特に楽しかったのは、友達と遊びに行ったことです。冬には電車で首都ブリュッセルに連れてってもらいみんなで買い物をしました。初めて食べた屋台の作りたてのワッフルとポテトはとても美味しくて一生忘れられません。しょんべん小僧はあまり大きくなかったこと、古着屋さん巡りをしたこと、貴重な体験ばかりをしました。暖かくなった春には、遊園地に行きました。海外の遊園地は激しいと聞いていたので緊張とワクワクがたくさんでした。また、ホストファミリーは最後にスペイン旅行に連れてってもらいました。ベルギーは小さな国なのでコロナがなければフランス、ドイツ、ルクセンブルク、オランダなどに簡単に行けます。島国育ちの私は車で国境を超えたことがすごく不思議に感じました。

 

 1番怖かった体験は留学も後半になってだいぶ言葉が理解できるようになった時に私は友達と街に買い物に出かけました。私のスマホは調子が悪く充電が切れていたことに気づかず友達と別れました。ホストファミリーとは迎えを映画館前で待ち合わせをしていましたが、メールで場所を変更して欲しいときていたことに気づきませんでした。それで私は迷子になりました。街の人にスマホを借りようと何人かに話しかけましたが物乞いやスリと勘違いされて貸してもらえませんでした。日本食屋さんを見つけたので入って助けを求めましたがそこには日本人が1人も働いていない日本食屋さんでした。最後はタピオカ屋さんで働いていた女の子とバスを待っていた男性が助けてくれてホストが迎えにきてくれるまで一緒に待っていてくれました。私が涙目になっていたので励ましてくれて、一緒にお茶をしました。フランス語も上手に話せない私にとても親切にしてくれて本当に感謝もしたし、私も見習いたいと感じました。

 

留学を終えて

 すごく楽しく充実したベルギー留学でしたが辛いことや大変なこともたくさんありました。やっぱり違う文化、環境で育ってきたので考え方の違いや捉え方で何回も衝突したり、言語の壁にぶつかり言いたいことが言えずに誤解されたりもしました。それでも諦めずにぶつかり、話し合い、たくさんの大事なことを学べました。私は人見知りが激しく、自分の意見を人に伝えることができない性格でした。私はそれを変えたくて留学に来ましたが、海外の人ははっきりと自分の意見を言うのでそれで傷ついたりもしました。少しずつではありますが、人に流されず、自分の意見を言えるようになったと思います。10ヶ月間で私は本当にすごい体験をしてきました。たくさんの後悔もありますが、 もしまたこのような機会があれば必ず行きたいと思えた留学生活でした。


(写真・文/2020年度ベルギー(夏出発)派遣生 C.Nさん)



 

EILでは、高校生交換留学プログラム派遣生を募集しています!詳しくは、こちらをご覧下さい。

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